おととい、ある子が突然に姿をくらませました。
急いで探しに行き、目撃情報などを頼りに、2時間後には隣町で見つけることができました。
その子は私たちの車を見ると、路地裏に駆け込みました。必死に追いかけること数百メートル。
ようやく抱きとめたときにその子は「帰りたくない」とつぶやきました。
どうしてと訪ねた私に返ってきた答に私は涙がこぼれそうになりました。
「今日お皿を割っちゃったから」
HOJに来る以前、この子はたった一枚の皿を割ったことで、どれだけの折檻を受けてきたのでしょうか。
HOJで暮らした幸せな時間と記憶を帳消しにして、バスに無賃乗車して隣町まで逃げるほどの恐怖。
いつも仲良くしている私から、必死に走って逃げるほどの恐怖。
絶対になぐったりしないから、と約束して、HOJに一緒に戻ってきました。お帰り!
きのうは、別の子が姿をくらませました。
学校帰りにボールをついて歩いていたら、たまたま手元が狂ってボールが道路に転がり、
ちょうどそこを通りかかったバイクがびっくりして転倒したのです。
大変な事件を起こしてしまったとパニックに陥ったその子は、一目散にその場を走り去りました。
近所中をみんなで大捜索してもなかなか見つかりません。
陽もすっかり沈み、そろそろ警察に届けたほうがいいかも、というときになって、
HOJの門のそばの茂みでうずくまって泣いているところをこどもたちが見つけました。
「自分のせいで大事故になったから捕まってなぐられると思った」
この子もまた、HOJに来る前には、頻繁に折檻を受けていました。
その記憶が、「逃げろ!」と命じたのでしょう。
でも、自分から帰ってきてくれました。HOJがこの子の、帰る場所だったんです。お帰り!
HOJにいる子たちは普段の笑顔からは想像もつかないような闇をかかえています。
そんな子たちが、HOJのことを信じて、HOJに帰ってきてくれます。
ときどき逃げ出しちゃったりもしますが、みんなHOJに帰ってきてくれます。
HOJがこの子たちが信頼できる「帰る場所」であるように、これからもがんばっていきたいと思います。
皆様のご協力をよろしくお願いいたします。

